トリシティ300は、安定感のある三輪スクーターとして人気が高いが、ツーリング時に「つらい」と感じるライダーも少なくない。特に長距離走行では、風の影響や疲労の蓄積が課題となる。そこで、ルーフやクルーズコントロールを活用することで、快適な走行を実現できる可能性がある。
本記事では、トリシティ300のツーリングにおける課題と、ルーフやクルーズコントロールの効果について詳しく解説する。また、燃費性能や最高速、高速道路での走行性能など、ライダーが気になる情報も網羅。さらに、販売状況や車検、維持費についても触れ、トリシティ300を購入・運用する上でのポイントを紹介する。
ツーリングをより快適にするための工夫や、カスタムの選択肢についても解説しているので、トリシティ300を検討している人や、すでに所有しているが長距離走行に不安を感じている人は、ぜひ参考にしてほしい。
記事のポイント
- トリシティ300のツーリングが「つらい」と感じる主な理由と対策
- ルーフやクルーズコントロールを活用した快適な走行方法
- トリシティ300のスペックや燃費、最高速、高速道路での走行性能
- 車検や維持費、販売状況や中古車と新型の選び方
トリシティ300のツーリングはつらい?ルーフとクルーズコントロールで快適に
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- トリシティ300の基本スペック
- 乗り出し価格は?
- 普通免許で運転できる?
- 高速道路を走れるのか?
- 最高速はどれくらい?
- 満タンで何キロ走れる?
- ルーフはつけれるか?
- クルーズコントロールとは?
トリシティ300の基本スペック
トリシティ300は、ヤマハが開発したフロント二輪・リア一輪の三輪スクーターです。排気量は292ccで、一般的な二輪バイクよりも安定感があるのが特徴です。エンジンは水冷4ストロークSOHC4バルブを採用し、スムーズな加速と燃費性能のバランスを重視しています。
全長は2,250mm、全幅は815mmと車体がやや大きめですが、その分快適なライディングポジションを確保できます。車両重量は約237kgあり、一般的なスクーターと比較すると重めですが、走行時の安定感につながっています。
さらに、燃料タンク容量は13Lで、満タン時の航続距離は約400km前後とされています(道路状況や運転方法によって変動)。また、前後にABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を搭載し、安全性にも配慮された設計になっています。
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乗り出し価格は?
トリシティ300の新車購入時の乗り出し価格は、おおよそ 90万円~100万円 です。これは、メーカー希望小売価格(約92万円前後)に加えて、登録費用や自賠責保険、重量税、ディーラーでの手数料などがかかるためです。
また、購入店舗によっては値引きが適用されることもありますが、値引き額は比較的少なく、数万円程度が一般的です。中古車市場では、状態や年式によりますが 70万円~85万円 ほどで取引されているケースが多く、新車よりもやや手頃な価格で手に入れることが可能です。
オプションとして、ロングスクリーンやスマートキーシステム、トップケースなどを追加する場合は、さらに費用がかかるため、購入時に予算を考慮して選択する必要があります。
普通免許で運転できる?
トリシティ300は、 普通免許(四輪免許)では運転できません。運転するには 「普通二輪免許(AT含む)」または「大型二輪免許(AT含む)」 のいずれかが必要です。
一部の三輪バイクは普通免許で運転できるものもありますが、トリシティ300はバイクの構造上、二輪扱いとなるため、四輪免許だけでは乗ることができません。
また、トリシティ300は AT限定の普通二輪免許でも運転可能 なので、ギア操作に不安がある方でも比較的乗りやすい仕様になっています。なお、251cc以上のバイクに分類されるため、車検が必要 である点にも注意が必要です。
高速道路を走れるのか?
トリシティ300は 高速道路を走行可能なスクーター です。排気量が292ccあるため、法律上は軽二輪(250cc以上)に分類され、高速道路の走行が認められています。
また、LMW(リーニング・マルチ・ホイール)システムによる高い安定性があるため、高速道路でもしっかりとした走行が可能です。前輪が二つあることで、通常の二輪バイクよりも直進安定性が向上し、横風や路面の凹凸による影響を受けにくいのが特徴です。
ただし、車体重量が237kgと比較的重いため、急加速や追い越し時には余裕を持った運転が必要 になります。特に、坂道では加速が鈍くなることがあるため、事前に速度を十分に上げておくことがポイントです。
最高速はどれくらい?
トリシティ300の 最高速度はおよそ120〜130km/h です。これは、一般的な300ccクラスのバイクとほぼ同等の性能です。
エンジンは292ccの水冷単気筒を搭載し、街乗りでは十分なパワーを発揮しますが、最高速に近づくと加速が鈍くなります。高速道路を巡航する際は 100km/h前後が最も快適な速度 で、振動やエンジン負荷を抑えながら安定した走行が可能です。
また、クルーズコントロール機能を活用すれば、長距離移動時の疲労を軽減できます。ただし、風の影響を受けやすい場面もあるため、特に横風が強いエリアではしっかりとハンドルを保持することが大切 です。
満タンで何キロ走れる?
トリシティ300の燃料タンク容量は 13L で、燃費は約 30〜38km/L(道路状況や運転スタイルによる)です。このため、満タン時の航続距離は 約390〜500km になります。
一般的な走行条件では 400km前後が現実的な目安 ですが、高速道路を一定速度で走る場合は燃費が良くなり、より長い距離を走行できる可能性があります。一方、市街地でのストップ&ゴーが多い運転をすると、燃費は落ちやすくなります。
給油のタイミングとしては、残り100km分の燃料があるうちに給油すると安心 です。また、長距離ツーリングの際は、事前にガソリンスタンドの位置を確認しておくとスムーズに移動できます。
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ルーフはつけれるか?
トリシティ300には、純正のルーフオプションは設定されていません。そのため、ルーフをつける場合は 後付けのカスタムパーツを利用する必要があります。
一般的に、スクーター用の汎用ルーフやカスタムショップが製作する専用ルーフを取り付けることは可能です。しかし、ルーフを装着することで 重量が増え、重心が変わるため、走行時のバランスやハンドリングに影響が出る可能性があります。また、強風時に横風の影響を受けやすくなるため、安全性も考慮する必要があります。
ルーフを検討する際は、取り付けの可否や耐久性を専門のショップに相談するのがおすすめ です。また、カスタムによっては法律上の制約がある場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
クルーズコントロールとは?
クルーズコントロールとは、一定の速度を自動で維持する機能 です。トリシティ300にはこの機能が搭載されており、特に高速道路での長距離走行時に便利です。
使用方法はシンプルで、設定した速度でアクセルを固定できるため、手首や腕の負担を軽減 できます。例えば、100km/hで巡航するときにクルーズコントロールを設定すれば、アクセルを回し続ける必要がなくなり、長距離移動が快適になります。
ただし、市街地や渋滞時には使用しにくく、カーブや勾配が多い道では速度調整が必要になるため、適切な場面で活用することが重要 です。また、解除する際はブレーキを踏むかスロットルを動かすことで解除できます。
トリシティ300のツーリングはつらい?ルーフとクルーズコントロールの注意点
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- 販売は停止している?
- スタンディングアシスト機能とは?
- 車検や維持費はどれくらい?
- 中古と新型どちらを選ぶべき?
- 値引き交渉のコツ
- カスタムやロングスクリーンの活用方法
販売は停止している?
トリシティ300の販売は停止していません。一部で「販売停止の噂」がありますが、これは 過去にスタンディングアシスト機能の不具合によるリコールがあったことが影響している 可能性があります。
このリコールは、停車時に車体を支えるスタンディングアシスト機能が正常に動作しないケースがあったため、メーカーが対策を行いました。現在、リコール対応が完了した車両が販売されており、新車・中古車ともに市場で購入可能です。
また、モデルチェンジの可能性や、新型の登場に伴う仕様変更の影響で一時的に在庫が少なくなることはありますが、販売自体は継続 されています。購入を検討している場合は、公式サイトや販売店の在庫状況を確認するのがおすすめです。
スタンディングアシスト機能とは?
スタンディングアシスト機能とは、停車時に車体の傾きを制限し、ライダーが足をつかなくてもバイクを自立させるシステム です。トリシティ300に搭載されており、信号待ちや渋滞時に安定して停止できるメリットがあります。
作動条件として、車速が10km/h以下、スロットルが閉じている状態、エンジン回転数が2,000rpm以下 である必要があります。左ハンドルのスイッチを押すことでアシスト機能が作動し、スロットルを開けるかスイッチを再度押すと解除されます。
ただし、完全に車体が固定されるわけではなく、傾斜した場所ではバイクが動く可能性があるため注意が必要 です。スタンディングアシストは便利な機能ですが、過信せずに慎重に使うことが大切です。
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車検や維持費はどれくらい?
トリシティ300は 排気量が292ccのため、車検が必要なバイク です。一般的な費用は 車検代が約40,000〜70,000円 で、ディーラーやバイクショップによって異なります。
また、その他の維持費として以下のようなコストがかかります。
- 自賠責保険:5年契約で約15,000円
- 任意保険:年間約30,000〜60,000円(条件による)
- オイル交換:約3,000〜5,000円(3,000kmごと推奨)
- タイヤ交換:前輪2本・後輪1本で約50,000円(走行距離15,000km程度が目安)
さらに、トリシティ300は前輪が2つあるため、一般的な二輪車よりもタイヤやブレーキの交換費用が高くなる 点に注意が必要です。ただし、三輪の安定性があるため、転倒リスクが低く、安全性を重視する方にはメリットが大きいバイクです。
中古と新型どちらを選ぶべき?
トリシティ300を購入する際、中古車と新型のどちらが適しているかは、予算や使用目的によります。
新型を選ぶメリット
- 最新の機能が搭載 されているため、安全性や快適性が向上
- リコール対応済みの車両 が手に入る
- メーカー保証がついている ため、故障時の対応が安心
中古を選ぶメリット
- 価格が安い(市場価格は約70万〜85万円)
- 初期費用を抑えられる(登録費用・納車費用が少ない)
- 試乗して状態を確認できる(実際に乗ってフィーリングを確かめられる)
ただし、中古車は リコール対象車が含まれる可能性があるため、購入前にリコール対応が済んでいるかを必ず確認することが重要 です。特に、スタンディングアシストの不具合が報告されていたため、その点は注意して選ぶとよいでしょう。
どちらを選ぶべきか迷う場合は、長く乗る予定なら新型、価格を抑えたいなら中古 という基準で考えるのがベストです。
値引き交渉のコツ
トリシティ300の値引き交渉を成功させるには、購入のタイミングと交渉方法が重要 です。新車・中古車どちらにも適用できるポイントを紹介します。
1. 購入のタイミングを狙う
- モデルチェンジ前:新型の発表前は在庫処分で値引きが期待できる
- 決算時期(3月・9月):ディーラーや販売店が売上目標を達成するため、交渉しやすい
- 年末年始やボーナス後:売れ行きが落ちる時期は、販売店側も柔軟に対応しやすい
2. 交渉のポイントを押さえる
- 他店の見積もりを活用:競合店の価格を比較し、安くなる可能性を探る
- オプションやアフターサービスの追加を交渉:本体価格の値引きが難しい場合は、オプション(グリップヒーターやスマホホルダー)や整備費用を割引してもらう
- 支払い方法を工夫:現金一括払いの方が交渉に有利になることがある
3. 中古車なら保証の有無を確認
中古車は値引きよりも 保証付きの車両を選ぶ方が長期的にお得 になることもあります。値引きにこだわらず、アフターサポートの充実度を確認するのも大切です。
カスタムやロングスクリーンの活用方法
トリシティ300は カスタム次第でツーリング性能や快適性を向上 させることができます。特に ロングスクリーン は風防性能を向上させ、長距離走行時の疲労を軽減できるアイテムです。
1. ロングスクリーンのメリット
- 風の影響を軽減:高速走行時の風圧を抑え、体の負担を軽くする
- 雨の日の視界を確保:スクリーンが雨を弾き、ヘルメットのシールドが濡れにくくなる
- 防寒対策になる:冬場の冷風を防ぎ、快適に走行できる
市販のロングスクリーンには 純正品と社外品 があります。純正品はフィット感が高く、社外品はデザインやサイズの選択肢が広いのが特徴です。
2. その他のおすすめカスタム
- グリップヒーターの追加:寒い時期の快適性向上
- シートのアンコ抜き:足つきを良くし、小柄なライダーでも扱いやすくする
- リアボックスの取り付け:積載量を増やし、ツーリング時の荷物の収納を便利に
カスタムを施すことで トリシティ300の使い勝手を向上させ、長距離ツーリングにも適した仕様 にすることができます。購入前に 実際の使用シーンを想定しながら、必要なカスタムを選ぶことがポイント です。
トリシティ300のツーリングはつらい?ルーフとクルーズコントロールのポイント
- トリシティ300はフロント二輪の三輪スクーターで安定感が高い
- 車両重量は約237kgで、一般的なスクーターより重い
- 最高速度は約120〜130km/hで、高速道路の巡航は100km/h前後が快適
- 燃費は約30〜38km/Lで、満タンで約400km前後走行可能
- ルーフは純正オプションがなく、後付けカスタムが必要
- クルーズコントロール機能を搭載し、高速巡航時の負担を軽減できる
- 高速道路の走行が可能だが、車体の重さから加速には余裕が必要
- スタンディングアシスト機能により、停車時の安定性をサポート
- 普通免許では運転不可で、普通二輪免許以上が必要
- 車検が必要で、維持費はタイヤ交換などの費用がやや高め
- 新車価格は約90〜100万円、中古車は70〜85万円で取引されている
- 販売は継続されており、一部のリコール対応が過去にあった
- 値引きは少ないが、決算期やモデルチェンジ前は交渉の余地あり
- ロングスクリーンやグリップヒーターを装着すれば快適性が向上
- 長距離ツーリングは可能だが、ルーフやカスタムで快適性を調整できる
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